ラストアルバム
『誕生』
オフィシャル・インタビュー

CHATMONCHY

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チャットモンチーインタビュー前篇
(“完結”と“誕生”)

——ラストアルバムにして最高傑作『誕生』がついに完成しましたが、今の心境はいかがですか。

橋本絵莉子:やっと(レコーディング期間を)抜けた〜!っていう感覚が出てきてますね。音を選ぶとか、いろいろジャッジするとか、そういうものからスポーンと抜け出して、これから客観的に眺められるようになるんじゃないかなって思ってます。

——肩の荷が下りた、的な?

橋本:なんだろ、ホッとしたのかな。今回はメカ(デジタル楽器を多用した“メカットモンチー”スタイル)にテーマを絞ってやってみようっていうところから始まったし、しかも曲のストックがほとんどない状態、イチから作りながらの作業だったから余計にホッとしたのかも。

福岡晃子:私は“やったー!”って感じですね(笑)。“これで自由だー!”って。打ち込みメインのスタイルで作っているから、曲が上がってミックスが終わっても、さらに何回もミックスの修正をするんですよ。そういう作業を今回、初めて大幅に時間をかけてやったので。エンジニアさんたちも私たちの意図を汲み取ってくれて、かなり細かく修正してくれたんです。言い方は悪いけど、毎日が粗探しというか、もっと直さなきゃいけないところをずっと考え続けていたので、それが終わったときは“最高や!”って(笑)。できてしまえば、それが完璧ってことになるけど、そこにいくまでがむっちゃしんどかったですね。

——そこまでやったのは、やはり後悔したくないからですよね。

福岡:そうですね。後悔したくないし、打ち込み自体もまったくやったことがなかったので、短期間でそれをやるっていう不安も大きかったし。後々聴いたら、まだもっと詰められたなって思うかもしれないけど、そのときは今できるだけのことをやりたいと思って臨んでいました。

——そもそもメカをテーマにした経緯というのは?

福岡:デビュー10周年のときに男陣・乙女団(サポートメンバー/男陣=恒岡 章、下村亮介・乙女団=世武裕子、北野愛子)と一緒にアルバム(『共鳴』)を作って、ツアーを回ったり、日本武道館でライブしたり、“こなそんフェス(チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2016 〜みな、おいでなしてよ! 〜 )”を開催したりしたんですけど、そのあとは実は3ピース編成に戻ろうと思ってたんですよ。

——え! そうだったんですね。

福岡:でも武道館で3ピースで演奏する場面があって、そこでわりと満足してしまったというか。今、3ピースをやるとこんな感じになるんやなってわかってしまったので、だったら別のことをやりたいなって思ったんです。で、もう一回、えっちゃんと2人になったんですけど、前にやってた2人体制とはまた違う形でできないかなって。いろいろ考えていくうちに打ち込みだったら、やったことなさ過ぎてむしろ興味ある、みたいな(笑)。

——かなり思い切りましたよね。チャットモンチーはこうあらねば、みたいなものはなかったですか。

橋本:くみこん(高橋久美子)が抜けて2人になったときには“チャットモンチーと名乗って大丈夫かな”って気持ちもあったんですよ。でも2ピースになって“うん、大丈夫”って思えてからはあんまり気にしなかったです。男陣や乙女団が加わっても全然いいと思ったし、メカになることもまったく躊躇してなくて。でも“完結”を決めたときに“もう全うしたな”って思ったんですよね。だから、どこかでやっぱりチャットモンチーと名乗って大丈夫なものであろうとはしてたとは思います。

——完結を決めたのは、チャットモンチーとしてやるべきことはやりきったと思えたから?

橋本:はい。メカでのツアー中にそう思ったんです。次にやるべきことはチャットモンチーを一旦終わらせること、チャットモンチーの次の一手は完結だねって。

——変な話、何か行き詰まりを感じてたとか、そういうことは……。

橋本:たぶんいちばんの行き詰まりは“こなそんフェス”が終わったあとなんですよ。やり切った感がものすごくて“このあと、どうしよう……?”みたいになってしまって。でも、そこでは完結を選ばなかったんですよね。やっぱり悔しいし、それは本望ではないっていうか。2人で何かをもう一度っていう想いはあったから。そこからメカをやり始めて、ツアーを回って、メカの状態のチャットモンチーをお客さんに届けたときに“もう大丈夫。チャットモンチーはこれで終われる”って。だから行き詰まったというよりは、それを越えられたからこその完結なんです。そうじゃないとたぶんすんなり完結には向かえなかったと思う。

——完結を見据えた上で本格的なラストアルバムの制作に突入していった、と。でも本当にものすごいアルバムになりましたよね。これがラストだとは思えない、ここにきてまだ進化するのかと目をみはりましたから。

福岡:ありがとうございます。そう言ってもらえてうれしいです。

——ちなみに男陣・乙女団とのタームが終わってメカになるまでの間に『majority blues / 消えない星』をリリースされたじゃないですか。その後の『Magical Fiction』もメカのツアー中のリリースとはいえ、さほどメカメカしくはなくて。あの2枚のシングルはどういう位置づけになるんでしょう。

橋本:それがなかなか難しかったんだよね。

福岡:『majority blues / 消えない星』を作っていたときって実は男陣・乙女団と一緒にやってる頃とかぶってるんですよ。このあと2人で何かをするっていうこと自体は当時、すでに決まっていたし、タイアップが先に決まったこともあって、とりあえず2人でレコーディングしようってことになって。最近発表された「I Laugh You」もその頃に録っていた曲なので、まだ全然メカじゃないんです。

——前夜、みたいな?

福岡:前夜でしたね。そのときはまだ打ち込みにも全然意識がいってなかったし。

ディレクターK氏:初めてメカをお披露目したのはフェスだったよね。

橋本:そう、中津川!(“中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2016”)

K氏:その前にはもう合宿レコーディングに行っていて、「クッキング・ララ」と「the key」はそこでプリプロして。

福岡:そうだった。でも合宿に行ったときは全然、完結を決めてなかった頃だったし、アルバムのこともまだまったく考えてなかったんですけど。

——ラストアルバムをどんな作品にするのか、方向性やテーマは話し合ったりされたんですか。

福岡:どうだったっけ?(笑)

橋本:メカをテーマにすると、生音で出してるシングルの曲は混ぜにくいから(テーマ別で)2枚組にしようか、とかいろいろ案は出てたよな。でも、やっぱりメカに絞るのがアルバムとしていちばん見えたというか。

福岡:熱量や私たちの見ている方向がシングルのときとは違い過ぎたんです。シングルのときはまだ完結を決めてなかったから、めちゃくちゃ前を向いてるし、曲の感じもめっちゃ走ってるんですよね。でもラストアルバムを作ろうって思って作り始めたら……今までのチャットにはなかった方向を見てることに気づいて、これは一緒にしてもいいことはないなと思ったんです。

——その判断も潔いですね。わりと早いうちに決めたんですか。

福岡:いや、最後のほうですね。そろそろまとめようかっていうときに一緒に聴いて“全然無理やな”と(笑)。いけるかなと思ってたけど、しばらくぶりに聴いてみたら“1年前の自分たちってこんなだったんや!”って。驚愕やったよな(笑)。

橋本:びっくりした(笑)。あと、やっぱりシングルはタイアップも多かったから、それに応えようとする勢いもすごくあって。そういう意味でも違いましたね。

——ラストアルバムだと意識して作ること自体、今までの制作とは違うものがありそうです。

福岡:全然違いました。それこそタイアップもないし、言ってしまえば誰にも求められてないわけですよ。あるのは自分たちの“作りたい”っていう気持ちだけ。すごくデビュー前を思い出しましたね。こういうフラットな気持ちでアルバムを作るのは本当に久しぶりかもって思いながら作ってました。

——これで最後、みたいな気負いはなかったですか。

福岡:曲を作ることに関してはなかったけど、歌詞は全然書けなかったです。誰にも聴かれないかもしれないって思ったら……“ライヴでやる機会”という意味ですけど、実際、あと数本しかないじゃないですか。今まではいつか披露できると思ってたけど、もしかしたら1回も人前でやらないかもしれないって考えたら、なぜか書けなくなったんですよ。

——やっぱり誰かに聴いてほしいって想いが晃子さんに歌詞を書かせていたんでしょうか。

福岡:もともとチャットモンチーに入ってなかったら私は歌詞を書いていないですからね。チャットモンチーがなくなる前提で歌詞を書くってどういうことなのか、最初はちょっとわからなくて、まったく書けなくなったっていう。でも、その話をえっちゃんにしたら、えっちゃんは“全然そんなことない”って言ってましたけど(一同爆笑)。

橋本:私はチャットモンチーと名乗っていいうちに、チャットで言いたいことは全部書きたいと思ったんです(笑)。私が歌いたい歌を全部書きたいって。

——それもまた真理でしょうね。どちらの気持ちもわかる気がします。曲の作り方としてはこれまで通りの詞先で、そこにメロをつけてサウンドメイクしていく、という?

福岡:それもありますし、先に曲を作ったあとでメロディを乗せたり、もともとあったコード進行をメカに寄せるためにナシにして先にメロディだけ作ったり、パターンはいろいろでしたね。生演奏でやってたときはドラムとギターで作り始めて、そこにベースを乗せる、みたいな感じで作っていたけど、打ち込みって音源が無限にあるんですよ。ピアノもストリングスも何でも入れられるから、何が合うかを探す、みたいな作業でもあって。

——今回は全編打ち込みスタイルとのことですが、具体的には?

福岡:打ち込みと生演奏を混ぜてます。えっちゃんのギターはほぼ生音で、私のベースも半分くらい生で弾いていて。ドラムとかに関しては生音を取り込んで、データ上で細かく切ったり貼ったりしてますけど。

——なかなかに気の遠くなりそうな作業ですね。実際、制作は大変でしたか。

橋本:落としどころというか、“これでよし!”って思えるまでが大変でした。私はまだ全然耳が慣れてないというか、打ち込みの音に対する良し悪しとかわからない部分がいっぱいあるんですよね。ずっと生音で判断してきてたから。だから、あっこちゃんとエンジニアの佐藤(宏明)さんの2人に必死でついていってました。でも佐藤さんも“これがチャットモンチーのラストアルバムになる”っていうことを受け止めて、むちゃくちゃ頑張ってくれたから、そこはもう信頼していたし、うれしいなと思いながらやっていました。

福岡:ホント答えが無限なんです、打ち込みって。さっきはあれがいいと思ったけど、今聴くとこれもいいような気がする、でも並べてみたらどっちがどっちかわからん、とか(笑)。そういう意味ではしんどかったというか、その瞬間瞬間の達成感は少なかったかもしれないですね。バーンと弾いて“今のはいいテイクやった!”みたいなのはまったくと言っていいほどないから(笑)。

橋本:なかったねぇ(笑)。特にあっこちゃんは少なかったと思う。私はギター弾いたり歌ったりしてるから肉体的な達成感があるけど、あっこちゃんはもう目が、なぁ?

福岡:そう、目がもう……(笑)。

——パソコンのモニターとにらめっこですもんね。細かい波形にずーっと目を凝らしてなきゃならないから。

福岡:あと、めっちゃ腰痛くなりました、この半年で。

——最終的にしっかり落としどころが見つかってよかったですね。

福岡:いや、ホントよかったです。たぶんミックスで言ったら間違いなく今まででいちばん時間をかけたアルバムだと思います。

——打ち込みはミックスが要だと言いますし。

橋本:そんなに何回もやり直すんや!って思いました。佐藤さん、自分でミックスしたものなのに、別の人になったんちゃうかってくらいミックスの粗を探すんですよ。しかも、その日だけで終わりじゃなくて、日を跨いで作業してたり。

福岡:普通はその日で終わらせる現場が多いけど、私たちはスケジュールを長めに設定していたからだと思うんですけどね。そうしてもらいたかったし、佐藤さんもそれがうれしいって言ってくれて。やっぱり日が替わったら自分の耳も変わるし、時間があればもっといいものができた気がするってどうしても思っちゃうから、これだけスケジュールがあるのが超うれしいって。しかもウチらが“めっちゃ最高!”って言ってるのに直してましたから(笑)。

——その感じもいいですね。みんなで愛情を持って作っている感じが。

福岡:そうですね。それはかなり大きかったです。

——ものすごく熱量の高い7曲ですし、最後の最後でとんでもないものを投下してきたなとも唸らされましたし、ここに辿り着くためにチャットモンチーはあったのかもしれないとさえ思えるアルバムで。だからこそ外野が無責任に言ってしまうと、これで終わってしまうのがもったいないなっていう気持ちもあるんです。実際、制作を進めていく中で、お2人自身にもまだまだチャットモンチーをやれるんじゃないかと心が揺らぐ瞬間はなかったですか。

橋本:でも完結を選ばなかったら、まだアルバムを作っていなかったかもしれないので。7曲ってぎりぎりアルバムっていう曲数じゃないですか、イメージとして。だから完結を決めていなかったら、もうちょっと曲を貯めて安心してから作っていた気がするんですよ。でも、それだとこういうものにはならなかったと思うし、アルバム自体できなかったかもしれない。だから“完結”が完全にジャンプ台というか、アルバムを作るためのバネになってたんだなって思います。

——完結自体が原動力だった。

橋本:そう。次の体制になります、とか次のツアーに出ます、ぐらいの勢いのものになったんだと思う。

——そのせいか、凄まじく初期衝動に溢れた作品でもありますよね。もう前も後もない、みたいな。

福岡:あはははは!たしかに。

——それにしても『誕生』とは素晴らしいタイトルですね。

福岡:これはえっちゃんが考えました。

——“完結”なのに“誕生”、その心は?

橋本:“ラストアルバム”のあとにくる言葉があまりにもラストっぽかったら全然面白くないじゃないですか。最初は『大団円』っていう案もあったんですけど(笑)。

福岡:“『大団円』、いいね!”ってわりとなりかけてたよな(笑)。

橋本:でも“完結”っていう言葉にそれはもう表現されているから、そことは全然違うものにしたいなって。“ラストアルバム”の次に来てインパクトがある言葉は何かなって考えて『誕生』になりました。

——今後、それぞれの次に対する期待感、次に生まれ来る音楽あるいは何かを祝福するような気持ちも込められていたり?

橋本:う〜ん、“次”っていうのはなかったかな。なんて言うんだろう、始まって、終わって、また始まって……結局、そういうことの繰り返しやから、改めてそれを言ったという感じ。メカもそう、チャレンジは全部始まりやし、始まりっていう言葉の派生で“誕生”が出てきて。世界はすべて、始めていくことで進んでいくから、そういう言葉がいいなと思ったんです。

——この上ない始まりですもんね、“誕生”って。

福岡:私もすごくいいなと思いました。『大団円』も結構好きだったんですけど(笑)。

橋本:『不滅』とか『火の鳥』とか……『不死鳥』もあったよな(一同爆笑)。

福岡:あった、あった!

橋本:“永遠”を意味するような言葉もすごい考えたんやけど、ラストアルバムで『不滅』って“だよね〜”みたいになるのがすごくイヤだったから、永遠感のあるものには頼らないでおこう、と。

——永遠というより、普遍という気がします。“誕生”の場合は。

橋本:そうですね、常にあるもの。

——このラストアルバムを持って、最後のワンマンライヴとなる日本武道館公演(“CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE 〜I Love CHATMONCHY〜”)、そして地元・徳島での主宰イベント“こなそんフェス(チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2018 〜みな、おいでなしてよ!〜)”に臨まれるわけですが。武道館ライヴの全容はほぼ固まってきてますか。

福岡:はい、大体は。でも懐かし過ぎる曲とか、まだ触ってないから怖いですけど(笑)。

——オールタイムベスト的な内容になるんでしょうか。

福岡:でも10周年のときにオールタイムベストにし過ぎたので(笑)、もっと新旧取り混ぜたものにしようかなって。

橋本:とにかくみんなが納得して満足できる内容にしたいなと思ってます。チャットもお客さんも両方がいいなって思える内容のライヴを作りたいですね。

——期待のハードルは過去最高に高いでしょうね。

橋本:でも、きっといい感じになると思う。

福岡:今のところ、よさそうやもんな。

橋本:うん、“いけそうだ”ってやっとわかってきたから(笑)。

——では“こなそんフェス”のほうは?

橋本:“こなそん”はもう出演者に満足しきっちゃってるから、私たち。

福岡:前回も自分たちの出番でさえ過去一番、緊張しなかったくらい、もう祭り!って感じだったんですよ。だから“こなそん”がチャットのラストでよかったです。ワーッ!て明るく終われそうやし、正直、“こなそん”のことは何も心配してないんですよ。どう転んでも、いいものになるはず(笑)。

——ところで今後、この2人でまた一緒に音楽をやる可能性はあるのでしょうか。例えば他の人たちも交えて、とか。

福岡:できたらいいね、って感じですね。そういう話をして、完結を決めたところもあるので。

橋本:チャットではないでしょうけど。

福岡:なので今はとにかくラストまでチャットモンチーをやりきりたいと思ってます。

インタビュー:本間夕子


チャットモンチーインタビュー後篇
(『誕生』 収録曲解説)

「CHATMONCHY MECHA」

——高らかに“メカ”という今作の方向性を宣言した楽曲ですが、これは1曲目を意識して作られたんですか。

福岡晃子:最初はもっと曲が少なくて、ミニアルバムになるかもなと思ってたんですけど、7曲だったらアルバムとしていけるかなって。そのへんの定義はよくわからないですけど、でも7曲はあったほうがいいなと思って作ったんです。いきなりアルバムがメカになったら、今まで聴いてくれてた人がびっくりするかもしれないから、最初に“メカですよ〜”って感じを出そうかなと思って(笑)。

——歌というか、声の感じがなんだか不思議ですよね。

福岡:そうなんですよ。誰にも言われないんですけど(笑)、この声は逆再生してるんです。えっちゃんが“CHATMONCHY MECHA”をローマ字読みで反対から読んだものを逆再生したらこうなるっていう。

——ちょっとドヤった、この感じはそのせいなんだ。

橋本絵莉子:あはははははは!

——メカっぽいエフェクトか何かで加工してるんだと思ってましたが、まさか逆再生とは。

福岡:メカとか言っておいて、変なところでアナログっていう(笑)。でも上手いこといったよな?

橋本:うん。けっこう難しかったけど(笑)。

福岡:“チ”がむっちゃムズいんですよ。逆さにしたときに“ツ”というか“ツェッ”みたいな音にしないといけあくて。“チ”って言っちゃうと“シ”に近くなっちゃうんですよね。

——初めからこのイメージで作ったんですか。

福岡:最初は完全にインスト扱いだったんですよ。そこにもっと意味のない、えっちゃんのへんてこな言葉を入れてたんですけど(笑)。

橋本:“なんのパン食べよかな〜”って(笑)。そしたらめっちゃ恐怖を感じる曲になってしまって(一同爆笑)。

福岡:ただ、何かしら声をリズムに乗せたものは入れたいと思ってたんですよ。そしたら、えっちゃんが逆再生のアイデアを出してくれて、ばっちりハマりました。

「たったさっきから3000年までの話」

——完全生産限定のアナログシングルとして6月6日に先行リリースされましたが、ドリーミーでありながら、ハッとするようなワードも散りばめられたチャットモンチーならではの1曲ですね。これはどのようにして作られたんでしょう。

橋本:まず私の歌詞があって、最初はギターで曲をつけていて。でもギターの♪ジャーン、ジャーンっていうのがメカにハマりづらかったんですね、もろに人間の音だからだと思うんですけど。それでアルペジオをギターから鍵盤に代えて、そこに最初はドラムでなんとなくリズムを付けてみたり、っていうところからできていった曲です。

——すごく壮大な仕上がりで。

橋本:かなり壮大になりましたね。ラストのリズムが激しくなっていくところとか、もう宇宙に行っちゃうような(笑)。ラストの部分に関しては“もっといけるんちゃうか”って最後の最後までこだわってミックスしていました。

福岡:私はこれ、アルバムに入っている打ち込みの音全般がそうなんですけど、ビートらしい音をあまり使いたくなくて。なんていうのかな、ゴミ処理場からいっぱい出してきた、みたいな(笑)。

——ゴミ処理場?(笑)

福岡:ガラクタっぽい音が多くないですか?

——あ〜! そう言われるとわかります。

福岡:人から見たらガラクタっぽい音をリズムとして使いたかったんですよ。ガッシャンガッシャンって工場みたいな音とか結構入ってるんですけど、そういうのが曲にも似合うし、ガラクタもいっぱい使って機械が作れる、みたいなところがちょっとチャットっぽいかなと思って。ただ、ラストはパーンってなったほうがいいっていうえっちゃんの希望もあったので、そこからは四つ打ちで派手にしよう、と。

——歌詞は未来に想いを馳せて書かれているように感じました。

橋本:未来が来るって思われたかったんです。未来がちゃんと来て、そこで“そんなときもあったね”って振り返れるような、そういうふうになればいいなと思って最初の部分は書いていたんですけど。でも“そうなればいいな”ってことさえ言わなくていいようになればいいなっていう気持ちもあって。“そうなればいいな”ってことを何もかも書いてしまうと野暮だから、いちばん言いたいところは全部♪ウォウウォウにして、言葉にはしないでおくことにしたんです。

——♪ウォウウォウのところ、すごく胸に迫りました。“そうなればいいな”って思うのは裏を返せば、そうならないかもしれない不穏な現実を目の当たりにしているから出てくる願いでもありますよね。

橋本:そうですね。そうなるのか、ならないのかが自分にはわかりかねて……願望だけを歌っても響かないっていうか、“へぇ〜”で終わってしまう感じもイヤやなと思ったから、いちばんの願いポイントは歌わないことにしたらどうかなって。

福岡:本当に言いたいことは♪ウォウウォウにしたっていうのは今、初めて聞いた(笑)。この歌詞自体、今までのチャットにはあんまりなかった感じですよね。今までは言葉が明確だったし、求められているものにアンサーとして“こうです”って書いた曲はいっぱいあったと思うんですよ。でも、こういう“自分たちだけが知ってる”みたいなこととか、些細な日常の話とか、今まではあんまりやってきていなくて。橋本絵莉子波多野裕文の流れもあるのかなって最初にこの曲を聴いたときに思ったんですけど、チャットでもこういう曲ができるようになってよかったです。

——ちなみにタイトルにも使われている“3000年”っていうのは?

橋本:今、すでに2018年だから、2000年代っていうのはもはや未来感がないっていうか。1999年から2000年になったときの衝撃ってすごかったじゃないですか。みんな、サングラスとかしてたり(笑)。

福岡:してた、してた!

——ミレニアムの、真ん中の“0”ふたつがレンズになってるヤツですね(笑)。

橋本:だから2999年が3000年になったら、また“うわぁ!”ってなるんじゃないかなって。いちばん現実的に遠い感じがするのが3000年代かなと思って、“3000年”にしました。

「the key」

——2016年の合宿ですでにプリプロされていた曲だそうですが。

橋本:はい。メカの初お披露目が中津川のフェスで、そのリハーサルも兼ねた合宿で。最初に2ピースになったときに発見したのが、新体制で新曲を作るのがいちばん掴みが早いっていうことだったんですよ。だから男陣のときもそうしたし、今回のメカも新曲からやったらきっと掴みやすいはずだと思って作ったのがこの「the key」だったんです。

——エモーショナルだけど抑制も効いた、めちゃくちゃカッコいい曲ですよね。

橋本:よかった! ここまで低い声で歌う曲ってなかったから、やりたいなと思って。

福岡:たしかこれ、プリプロの前にはもう曲自体はできていて、プリプロのときに低音のバリトンギターを入れたんですよ。それがいいなとすごく思ったので、その音を目印にサウンドの全体像を作っていったんです。やっぱり打ち込みでもこういう曲をやりますよって言いたくなるんですよね。かなりロック色が強いというか。

——それは思いました。打ち込みなんだけど、生の質感がリアルに伝わってくる。

福岡:そうなんです。実際、生音も入ってるし、ドラムも素材として録ったものを入れたりもしてるから、わりと生音が多いっちゃ多いんですよ。

——どこか見守るような視線、包容力のようなものも歌詞から感じたのですが。

橋本:やっぱり息子が生まれてからは、私の書いてるものを彼が大人になって見たときにどういうふうに思うんだろうとか、なんとなく考えるようにはなってきたんですよね。きっと大人になっていく過程でいろいろなことを感じたり“どうしよう”って悩んだり、そうなったときに曲を聴いてくれたらいいなって思うようにもなってきて。

——どこかで息子さんへのメッセージだったりもする?

橋本:メッセージでもあるし、自分にも言い聞かせてるところもありますね。この曲では“鍵を開ける”っていうこととか。

——“変な歌を歌う日は/まだそばにいてね”という最後のフレーズがとても好きなんです。これは絵莉子さんの願いでしょうか。

橋本:そうですね。変な歌……自分の歌でも音を外していたりとか、そういうのを大人になると恥ずかしいって思うじゃないですか。恥ずかしいことは見られたくないし、やっぱり上手にやりたいっていう想いが大人になるほど、どんどん出てくるんだけど、そういうときも逃げないで、隠さないでいたい。そんな気持ちです。

「クッキング・ララ feat. DJみそしるとMCごはん」

——これも2016年の合宿ですでにプリプロされていたそうで。

福岡:この曲がアルバムでいちばん最初にちゃんとできた打ち込みの曲だったんですよ。なので、その後の制作で挫けそうになったときはずっと聴いてました(笑)。“これ、めっちゃしっかりしてるやん。だったら今やってる曲ももっとやれるはず!”みたいな。

橋本:すごくいいよな。いちばん最初にできたのに、最初から音の印象がすごくいい。

福岡:しかもこれは曲を先に作って、あとからえっちゃんに歌を乗せてもらったんですよ。こういうやり方もあり得るんやと思えたのがきっかけでいろいろ始まっていったんです。

——曲が先、というのはオケのこと?

福岡:オケとコード進行かな。メロディ以外のものですね。

——で、そこに歌が乗って、最後にラップ。

福岡:はい。ラップの尺はおみそちゃんが指定してくれたので、そこはガッツリ空けておいて。そういうのも打ち込みだとすぐできるし、やりやすいんやなって勉強になりました。

——DJみそしるとMCごはんさんとコラボレーションすることになった経緯というのは?

福岡:原曲ができたときに、もうちょっと広げられそうやなって思ったんですよ。で、“クッキング”だし、おみそちゃんにラップを入れてもらうのはどうかなって。ちょうどラップビートっぽい曲だったからアリかなと思ってお願いしたんです。

——めちゃくちゃ合ってますよ。ラップパートについて何かオーダーはしたんですか。

福岡:“クッキング”ではあるんですけど料理に関係ないものというか、おみそちゃんの感情を書いてほしいなと思って。ただ、そう伝えたら、最初は“そういうの、あんまりやったことないんです……”って戸惑ってる感じだったんです。でも、えっちゃんが“台所の妖精っていう設定で書いてみて”って言ったら、この形に仕上げてきてくれて。

——かわいいな、“台所の妖精”。

橋本:自分でそれを言っちゃうっていうのが、また(笑)。34歳で“台所の妖精”って(一同爆笑)。

福岡:でも、そう言ったらおみそちゃんも“なるほど! それはとてもわかりやすいです!”って。この2人、何を通じ合ってるん?みたいな(笑)。

——最後にちゃんとお皿を洗うんですよね。

橋本:ここは私が、どうやって曲を終わらそうかなと思って。料理を作りっぱなしもあれやし、お皿を洗って終わりましょうってことで(笑)。

「裸足の街のスター」

——作詞が晃子さんですね。

福岡:唯一、書けた歌詞です(笑)。一応、もう1曲、書いてはいたんですけど、それはもうホンマにわかる人にしかわからんって感じだったから、ちゃんと歌詞になりそうなものをもう一回、書いてみたら、こっちのほうがよかったので。

——書かれているのは“この先を見ている自分たち”でしょうか。

福岡:そうですね。でも昔の話も含まれてます。“イノシシ年”って言いたかったんです。なんかチャットっぽいし、イノシシ年ってええなって。ちなみに(男陣の)恒さん(恒岡章/Hi-STANDARD)も同じ干支なんですよ。

——楽曲としてはスムーズにできたんですか。

福岡:最初は全然ビートが決まらなかったんです。そしたら適当に入れたアフリカンパーカッションみたいな音がハマって、そこからガラリと曲調が変わりましたね。

——モチーフがチャットモンチーだし、歌詞にはすごく疾走感が溢れているのに、曲調自体はゆったりとしているのが意外だったんです。これこそロックなアプローチにしても違和感なさそうじゃないですか。

福岡:たしかに。歌詞のテンション的には「満月に吠えろ」みたいな勢いで書いてた気がします。

橋本:私も本当は速い曲にしたかったんですよ。そっちでいけると思ってたんですけど、一方で、歌の出だしのちょっとメロディのない感じ、しゃべってるみたいな感じっていう、両方が浮かんできたんです。で、あっこちゃんに“こういうのもあるよ”って軽い感じで聴いてもらったら“そっちのほうがいいな”って。なので速いほうは断念したっていう(笑)。でも今はこのゆったりした感じがいいなって思います。

——逆にそれが生身を感じさせますし。

橋本:そうなんですよ。“速い曲”っていうものとずっと闘っていた気がして。どこかで、そういうのを求められているのかなって思っていたんでしょうね。でも今回はもう無理しないで、自分たちの好きなほうを取りました。

——この曲はアルバムの中でもいろいろな音が入っていますよね。メロディカとかカリンバとか。

福岡:メロディカを入れたきっかけはユアソン(YOUR SONG IS GOOD)なんです。チャットのトリビュートアルバム(『CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY~』)でユアソンがやってくれたカバーを聴いて“メロディカ、いいな”って(笑)。カリンバも入れてみたらハマりましたね。ずっと持ってたのに、今までどこにも入れたことなかったんですけど、打ち込みと相俟って幻想的になってよかったです。

——楽器の相乗効果なのか、さっきおっしゃってたアフリカンビートもそうですけど、どこか民族音楽っぽいニュアンスも新鮮で。

福岡:制作中はずっとこの曲のこと、“民族系”って呼んでました(笑)。「たったさっきから3000年までの話」は“宇宙”で、これは“民族系”。えっちゃんがキャラ分けしたんです。

——ちなみに他の曲は?

橋本:「クッキング・ララ」は“かわいい”で「the key」は“悪者”、「砂鉄」が“優等生”で「びろうど」が“アコースティック系(笑)”。そうやって全部バラバラにして、それぞれが似ないように各自のキャラクターに曲を寄せていこう、と。

「砂鉄」

——作詞を元メンバーの高橋久美子さんが手掛けられていますが、久美子さんにオファーしたのにはどんな理由があったんでしょう。

橋本:昔、3人で作った曲で、世に出していない曲があったんです。それがすごく好きで、ラストアルバムを作るにあたって入れたいという話になって。それで、メカでもう一回、アレンジをし直して入れてもいいかどうか、くみこんに聞こうってことになったんです。ただ、歌詞は見つかったけど、3人だけで作ってた頃のデモ音源がどうしても見つからなかったんです。肝心のメロディもところどころ忘れてしまっていたので、だったら、せっかくなら新しい歌詞をお願いしてみる?って。でも会いに行ったのはいいけど、なかなか切り出せなくて、最後の最後でやっと言えました(笑)。

——切り出すまでどんなお話を?

橋本:家族の話とか、くみこんのヤバ過ぎる旅の話とか(笑)。完結をお知らせするのと“最後に歌詞をひとつ書いてくれないか”ってお願いするために行ったはずだったんですけどね。

——立ち入った話になりますが、脱退からそれまでに久美子さんとの交流はあったんでしょうか。

橋本:“誕生日おめでとう”とか、息子が生まれたときに会いにきてくれたりとかはありましたけど、私の意識的にはあまり寄り過ぎないようにしようとしてたかもしれない。そうじゃないと突っ走れない気がしたんですよね。くみこんなしでやっていくためには、振り返っていたらダメだって気持ちもあったし、もちろん寂しさもあって……チャットにいたときみたいに密に連絡を取ったりしないようにはしていました。

福岡:私もたぶん同じですね。誕生日にメールを送ったりするくらいで。

橋本:でも今回、久しぶりにちゃんと話したけど時差を一切感じなかったんです。付かず離れずのところで、でも、やっぱりお互いを思ってたのかもっていう……そういう想いがやっと口に出せるような、そんな気がすごくしました。だから話していて、すごくうれしかった。くみこん自身も辞めてからずっと“元チャットモンチー”っていうのと闘っていたし、私たちも“元3ピース”みたいなところと格闘してきて、そういうところも似ていたのかなって今回初めて思えたかもしれないです。

——この歌詞が届いたときの感想は?

橋本:感動してしまいました。本当にそう思って書いてくれてるんやろうなって感じられて、グッてなりました。

福岡:私はまず歌詞だけ見たときに“めっちゃ久美子や”って思って。私やえっちゃんでは書けないもの、一気にノスタルジックになるというか……“きた! 学校!”みたいな懐かしさと、3ピースのときの感じが甦りましたね。あと、他の曲と比べて歌詞の分量が多いじゃないですか。構成もしやすかったし、それで“優等生”になったんじゃないかなって。

——“だめでもだめだめでも 許すよ”は「やさしさ」(3rdアルバム『告白』収録)のアンサーですよね、きっと。他にも過去の曲のフレーズが散りばめられていたり、久美子さんからチャットモンチーへのはなむけでもあるんだろうなって。

橋本:そうなんだと思う。でも歌ってると不思議な気分にもなるんですよ、この曲。私は“(明日)ダメでも ダメダメでも(私を)許して”(「やさしさ」)って歌う側だったから、ここで“許すよ”って歌っているのがすごく不思議で(笑)。

「びろうど」

——この曲を聴いて、ああ、本当にやりきったんだなと納得してしまったんですよ。絵莉子さんがここまでパーソナルな歌詞をチャットモンチーの作品に入れるって初めてじゃないですか。

橋本:前だったら怖かったかもしれないですね。“響かないんじゃないか”とか、“え!?って思われるかな”とか考えてたかもしれない。“こなそんフェス”後に一回、橋本絵莉子波多野裕文として別の角度から音楽をやってみて、歌詞の書き方や目線を改めて考え直せた結果、できた曲だと思います。

——いつ頃、作られた曲なんですか。

橋本:アルバムを作るかどうかっていう話になったときにはもう作ってました。実際にはアルバムがどうなるかはわからないけど、作るとなったときに曲がポンッと出せたほうがスムーズに進められる気がしたんです。この曲がちゃんとできたら、その後の曲作りもやっていけるんじゃないかなって。どうなるかわからないっていう状況でも曲が作れるかどうかって自分に対する試みでもあったし、これが最後の曲になるかもしれんっていう気持ちもありましたね。とはいえ、そこまで切迫してはいなかったですけど、あっこちゃんが歌詞を書きづらかったのと同じように、私は私で曲が作れるかどうかって思ってたんでしょうね。実際、どうなるかわからないぞって。

——結果、曲は作れたし、アルバムも出ることになって。

橋本:はい。

福岡:いい曲なだけに、これをメカでやってもいいんかなっていう気持ちもあったんです、最初。でも、やるからには成立させたいと思って、かなりもがきましたね。この曲にはえっちゃんの息子さんの声も入ってるんですけど、それだけで曲に母性が出るじゃないですか。その感じを上手く打ち込みで表わせたら新しいなと思ってたんですけど、本当に難しかった。いちばん難産でした。もがきにもがいて最終的にリズムをいれないっていうところに落ち着いたんです。

——息子さんの参加は、どなたのアイデアだったんです?

橋本:たまたま息子がレコーディングスタジオに来る予定があったんですよ。そしたらあっこちゃんが“ちょっと声を入れてもらえば?”って。それで“♪ラララ”のところを歌ってもらったんです。“僕、もう覚えたよ”って本人も乗り気で(笑)。

福岡:めっちゃかわいかった! えっちゃんがボリュームを調節しながら“もうちょっと声ください”って言うと息子さんも“もうちょっと声ください”って真似するんですよ(笑)。

橋本:“オッチェーです”とか言って。

——オッケーって言えないところがまたかわいい!

橋本:一回、歌ったあとに“もう一回、お願いしていい?”って言ったら“もう疲れてお腹空いたから、歌えな〜い”って。誰より大物でしたね(笑)。

福岡:でも、めちゃくちゃピッチがよくて、これ一発でOKでした。

橋本:そのときは結構カジュアルなノリだったんですけど、子供ならではの発達してない声ってすごく強くて、めっちゃ耳を持っていかれるんですよね。これから息子は大きくなっていって、この声を出すことは二度とできなくなるわけですけど、そう考えたときに“でも、みんなもそうだな”って気づいて。大人は全員そうやし、私のボーカルだって1回録ったら同じ声は二度と録れない。これから成長していく人の声を曲として聴いたときに、そのことをすごく実感したんです。

——ある意味、このアルバムの象徴かもしれませんね。生きているということをこんなにダイレクトに感じさせてくれるものもそうないですし。まさにアルバムのラストを飾るにふさわしい1曲。

福岡:本当に。えっちゃんはラスト感が出過ぎるんじゃないかって結構、最後のほうまで悩んでましたけど、私はこれがラストで全然いいなと思っていました。

インタビュー:本間夕子